原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

2020年の電子書籍

定点記録の電子書籍日記。といっても、もう完全に安定してしまったので、書くことがあまりないですね。去年からBOOK☆WALKERに記録を絞ってます。 まずは昨年の記録。 BOOK☆WALKER:3433冊:2019年購入冊数624冊 で、今年の記録。 BOOK☆WALKER:3860冊:2020…

米澤穂信『巴里マカロンの謎』

[rakuten:book:19860797:detail] 待ちに待った──というには待っていた時間が長すぎた小市民シリーズの最新刊! を読みました。でも11年と言われてもぴんとこないね、と思うのは時々読み返していたからかな。 で、短編が発表されてたことは知ってたのですが、…

武田綾乃『君と漕ぐ』1~2

[rakuten:rakutenkobo-ebooks:18034305:detail] カヌー(ペア競技がある)、タイトル、武田綾乃、と三つ揃うと、それだけでおおむね了解しました、という気持ちになりますが、その通りの小説でした。既巻は2巻。まだまだ序盤戦という面持ち。 中心的な登場人…

武田綾乃『響け! ユーフォニアム』

【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)作者:武田 綾乃宝島社Amazon 電子書籍にならないかなーとずっと待っていたのですが、どうも宝島社は電子書籍に反対の立場を保ったままの様子。それなら、せめて在庫が尽きてる…

アンディ・ウィアー『アルテミス』

アルテミス 上 (ハヤカワ文庫SF)作者:アンディ ウィアー早川書房Amazon 結構前に読んだのだけど、感想を書こうと思って書いてなかったので少しだけ。 月面都市「アルテミス」を舞台にしたSF作品。解説によると、この都市を舞台にした別の作品の構想もあるよ…

中村航『年下のセンセイ』

年下のセンセイ作者:中村 航幻冬舎Amazon 年下のお花の先生(のお手伝い)である透と、予備校の職員であるみのりの、2人の視点を交互に描く恋愛のお話。中村航らしいと言ってしまえばそれまでなのだけど、いつもの文体には安心する。 冷たいビールはいつだ…

柴崎友香「はじめに聞いた話1 一組と二組/たばこ屋の藤」

筑摩書房のPR誌「ちくま」で、柴崎友香の連載が始まった(隔月連載?)。PR誌というのは、書店に置いてある「ご自由にお取り下さい」というあれだけど、「ちくま」は今年から電子化もしていたようだ(知らなかった)。100円でずっと保存できると思えば安いも…

竹宮ゆゆこ『知らない映画のサントラを聴く』

[asin:4101800022:detail] 物語の類型の中に、「親密であった2人の女性」ものがある。私のファーストコンタクトはたぶん『TUGUMI』で、ぱっと思い出せるのは、『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』だ。どちらも、ちょっと変わったタイプの女性が「主人公ではな…

長嶋有「Mr.セメントによろしく」(『文學界』2017年1月号)

文學界2017年1月号文藝春秋Amazon プラモデルを最後に作ったのはいつだっただろうか、と思い起こそうとして、さっぱり思い当たらないことに気づく。おそらく小学生くらいまでさかのぼってしまうのだと思う。ひとつ思い出したのは、小学校のときの「クラブ活…

榊一郎『カタナなでしこ』

[asin:4062940159:detail] 講談社タイガより。刀の拵えをつくる4人の高校生の1年を描く、よくできた青春もの。いかんせん、構成が丁寧すぎて「計算通り」の感があり、そこが小説としては退屈になってしまっているのが難点*1だけど、刀のことなど、知らない…

城平京『雨の日も神様と相撲を』

[asin:4062940108:detail] 城平京の作品は長らく『名探偵に薔薇を』しか知らなくて、最近『虚構推理』(コミック版)を読んだくらいだったのですが、なにしろ『名探偵に薔薇を』が名作過ぎたのでまた小説が読みたいなあと思っていたのでした。全然知らなかっ…

野崎まど『なにかのご縁 ゆかりくん、白いうさぎと縁を見る』

[asin:4048916203:detail] 読んでなかった野崎まど作品を読んでおこうシリーズ。『なにかのご縁』はシリーズとして刊行されているもの。現在、2巻まで刊行されています。近い印象を持つのは、中村航かなあ。ライトな文体が楽しい。 このシリーズは、「きれ…

十文字青『灰と幻想のグリムガル』

既刊分読了。電子化されています。コイン・キャッシュバックで大人買いしました。bookwalker.jp アニメーションを追っていると、「あ、これいつか致命的なネタバレ踏むかも」と思ったので、「ならばバラされるネタをなくしてしまえばいいのである」という勢…

最近読んだものとか(パート2)

後半戦。 今井哲也『アリスと蔵六』 アリスと蔵六(1) (RYU COMICS)作者:今井哲也徳間書店(リュウ・コミックス)Amazon 権利関係であれこれあったのか、1巻しか電子版が出ていませんでしたが、無事リリース再開。これまで配信されていなかったBOOK☆WALKERで…

最近読んだものとか(パート1)

長いこと書いてなかったので、今年の後半に読んだものの中から印象に残っているものを色々並べてみます。こういうとき、電子書籍だと履歴が残ってるので便利。 つくしあきひと『メイドインアビス』 メイドインアビス(1) (バンブーコミックス)作者:つくし…

「ハルチカ」シリーズ その1(『退出ゲーム』『初恋ソムリエ』)

bookwalker.jp P.A.WORKSによってアニメーション化されることが決まっている作品です。吹奏楽ミステリ……といっても、吹奏楽自体がミステリに絡む、というわけではなく、主人公コンビが吹奏楽部に在籍し、その活動を進めていく中で色々な謎に出会っていく、と…

星空めてお『ファイヤーガール』その4

[asin:B00QM7X6UG:detail] どうやら最終巻になるらしい3巻の上。中と下が出るみたいです。終わっちゃうのさびしい。中と下が2巻下並の厚さにならないかな……(2巻下は600ページありました)。 いよいよ3年生たちが卒業へと向かう3学期。そのスタートとなる本…

最近読んだものとか

読んだものがたまってきたので、幾つかメモしておきます。 『二度めの夏、二度と会えない君』 [asin:B00SKEW0QU:detail] 典型的な難病+バンドものに、タイムリープの味付けが加わったもの。とはいえ、ベタといえばベタなので、「名作!」という感じではない…

庵田定夏『アオイハルノスベテ』その2

3巻読みました。1巻時の感想は以下。1巻時にはタイトルの末尾が変わるのかも、とか予想してましたが普通にそのまま「2」「3」でした。rouble.hatenablog.com メインの登場人物は、横須賀浩人、大河内葵、岩佐美帆、柳沼清十郎、木崎まひる、で安定してきた…

ブギーポップを読み直す(8)

『ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト』 ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト (電撃文庫)作者:上遠野 浩平KADOKAWAAmazon 珍しく、合成人間でなければMPLS(擬態者)でもない、ただの人間が主人公の話。統和機構の名も知らず、事…

ブギーポップを読み直す(7)

『ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド』 [asin:B00QWGZ092:detail] 時間軸はぐっと遡り、『夜明けのブギーポップ』の後日譚としての性質を持つ話。〝炎の魔女〟という渾名の誕生に関わる話でもあります。凪に並ぶキャラクターとして、〝傷物の赤…

ブギーポップを読み直す(6)

『ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ侵蝕』 『ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生』 ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕 (電撃文庫)作者:上遠野 浩平KADOKAWAAmazon[asin:B00QWGYYXK:detail] 事実上、『VSイマジネーター』以来の2分…

ブギーポップを読み直す(5)

『夜明けのブギーポップ』 夜明けのブギーポップ (電撃文庫)作者:上遠野 浩平KADOKAWAAmazon 『夜明けのブギーポップ』は、色々な人たちの始まりの物語。霧間凪に水乃星透子、そしてブギーポップ。色々な時系列の短編が、うっすらとつながっていく話。番外編…

ブギーポップを読み直す(4)

『ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王』 [asin:B00QWGZ2YU:detail] 最終巻になるかもしれなかった巻。HeartbreakerⅡ。『ブギーポップは笑わない』の直接的な続編であり後日譚とみてもいいのでしょう。登場人物も、新刻敬・田中志郎・竹田が再登場。『パ…

ブギーポップを読み直す(3)

『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」』 ブギーポップ・イン・ザ・ミラー 「パンドラ」 (電撃文庫)作者:上遠野 浩平KADOKAWAAmazon 初期作品の中では一番人気だった気もする3作目。登場人物ががらっと入れ替わっているので、初期シリーズにおいて…

ブギーポップを読み直す(2)

『ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター』 ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーターPart2 (電撃文庫)作者:上遠野 浩平KADOKAWAAmazonブギーポップ・リターンズ VSイマジネーターPart1 (電撃文庫)作者:上遠野 浩平KADOKAWAAmazon 分冊。メインとなる…

星空めてお『ファイヤーガール』その2

いつの間にか3巻が発売されていたので注文。届くのを待っている間に2巻までの感想を書いて思いだしておく作戦です。 どう感想書けばいいのかなあと前から書きあぐねていたのですが、登場人物ごとにまとめておくことにしました。1回で終わりそうにないので…

ブギーポップを読み直す(1)

昨年末にブギーポップ・シリーズがようやく電子書籍化されました。いつか読み直したいなあと思っていたので、セールに合わせてシリーズを一気に大人買い。登場人物も色々錯綜していくので整理がてら、感想を書きとめていこうと思います。 『ブギーポップは笑…

『ブギーポップ』の電子書籍化

ブギーポップは笑わない (電撃文庫 か 7-1)作者:上遠野 浩平KADOKAWAAmazon 電撃文庫はなぜか電子書籍化の動きが遅いのですが、ようやく『ブギーポップ』シリーズが電子化されました。正確にはまだ発売前。Kindleには動きが見えませんが、おそらくそのうち登…

星空めてお『ファイヤーガール』その1

[asin:B00MV0MJME:detail] 何度か感想を書こうとしたんだけど、結局頓挫したままだった『ファイヤーガール』の設定資料集を買いました。『ファイヤーガール』は、現在1巻上下、2巻上下が刊行されているライトノベルです。当初は3巻で完結する、とされてい…