原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

2009-01-01から1年間の記事一覧

『フィッシュストーリー』

フィッシュストーリー [DVD]伊藤淳史Amazon どういった映画なのかもあまり把握しないまま見ました。さくさくつながっていく因果がおもしろかったけど、ちょっとそれぞれの登場人物が物語のパーツになってしまっている感じもして、うーんという感じもした。 …

くるくるくるま

「このくるま、昭和生まれなんですよ?」 車を運転していると、たまに、「部屋ごと移動している感覚」の奇妙さにとらわれることがある。運転中に日常感覚を異化してしまうのは非常に危険なので、その考えに没頭することは避けなければならないが、しかし、多…

台風の気配

わずかな窓の隙間からふっと入り込んでくる風は、まるで生き物のようでした。 朝からずいぶんと風が強い。台風の気配だ。ルートからはかなり外れているのだけれど、なにかが近づいてくるのを町中が感じているかのようだ。 台風が予測できるようになったのは…

志村貴子『敷居の住人』

[asin:4757749961:detail] まだ読んでいなかったので新装版を期に読みました。おもしろかったー。 読んでいる間中思っていたのは、このマンガは全体を俯瞰できないマンガだな、ってことで、それは、全体の展開を“物語”として示そうとすれば、それはできるの…

そして唐突にもどる

「頭の使い方って、習慣に束縛されるところが大きいですよね」 2ヶ月ほど脳みそが溶けていた、というのは言い過ぎにしても、あまり物事を考えずにすごしていたなー、という気がする。いろいろみたり、よんだりはしていたけれど、どれもこれもが通り過ぎてい…

青桐ナツ『flat』

flat (1) (BLADE COMICS)作者:青桐ナツマッグガーデンAmazon ……なんだろう。さいきん、多くみかけるような気がする“小さなこどもとの交流もの”と言ってしまえばそれまでですが、しかし、そうやってひとくくりにすることにも大して意味のないような気がする、…

雨があがり、夏の音がする

「雨」 「また雨」 「でも、夏」 毎日のように、どしゃぶりの雨が降っていたようで、私の住む地域にも、それはたいそう雨が降った。ここ数日はほとんどテレビをつけなかったので、他の地域の情報は、メールとか、twitterとかで漏れ聞いた程度しか知らないの…

武器を持つ不自由

「ほぼ日刊イトイ新聞」の「今日のダーリン」7/22付けより。 おそらく、武器を持っていること自体が、 かなりの緊張を強いると思うんですよ。 かえって自由でなくなる、生きにくくなるでしょう。 「武器を持つ」というのは、そういうことだと思う。 「戦場の…

三連休

「雨が降ってるね」 「……降ってるね」 6月は祝日がなかったので久しぶりに三連休ですが、ふわーんと時間がたわんでいるような感じがします。特に予定もなく、雨の降る、三連休。夕方あたりにふと意識が切れ、起きてもまだ休みで、それがぐんぐんと続いてい…

フリック入力と音韻意識

「『ざじずぜぞ』の『じ』っておかしくない?」 「なんで?」 「だって、普通に発音したら『ざずぃずぜぞ』ってなるじゃん」 7月のはじまりに物欲の神様に耐えきれずにiPhoneを買いました。いいんだ。結局ezwebに4000円以上払ってたんだから、iPod買ったと…

『純喫茶磯辺』

純喫茶磯辺 [DVD]宮迫博之Amazon コメディのつもりでみていたら全然コメディではなくて、むしろとくんとくんとつきささってくるような、そういう映画でした。夜中にみたい映画です。 この映画のなかにはうまくいくこともうまくいかないこともたくさんあって…

ボストン茶会事件

「暑いなあって思うんだけど、冷房を使うほどじゃないんだよね」 「この時期から冷房を入れていると、本当に暑くなったときに持たない、って思うけど、実際にはそんなことはなくて、暑くなったら設定温度を下げればいいじゃない、って話?」 ボストン茶会事…

ナンシー・スプリンガー『エノーラ・ホームズの事件簿』

エノーラ・ホームズの事件簿―消えた公爵家の子息 (ルルル文庫)作者:ナンシー スプリンガー小学館Amazon ナンシー・スプリンガーによるシャーロック・ホームズのスピンアウト作品。シャーロックの妹であるエノーラを主人公とする探偵冒険小説です。ルルル文庫…

夏の夜の雨

「梅雨というよりは夏の夜の雨だね」と彼は言った。 あけはなした窓からは水の気配のするやわらかい空気のにおいがしている。 今年の梅雨は雨が降らなくて、梅雨が来たのかどうかもわかっていない始末なのですが、ここ数日は少し雨がちです。でも、梅雨の雨…