原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

ことばの収集箱

薄紅葉 天から降りてくる言葉

一時期に比べると、詩への感受性がかなり後退した。もともと散文詩はよくわからず、ほとんどの詩がぴんとこないのだけど、短歌・俳句にしても、日常的に出会うできごとをその定型で捉えようとする構えがかなり弱くなっている。 とはいえ、ときどきぽんと言葉…

言葉のモード

実家に戻ると、方言というだけではなくて、言葉のモードが変わる……というのはわかりやすいというだけで、実際にはいつも言葉のモードは揺れ動いている。だけど、1年に数回しか戻ってこない実家の言葉のモードにすんなりなじめる、というのは、過去、10年以…

非日常への落とし穴を設置する

実は今年も題詠がちっとも進んでいないんです。ということは、まあ予測できたことで、結局私は三日坊主体質なんです。やはり原因は、どうも短歌モードにならないぞ、というか、非日常的な言語使用モードにならないぞ、ということにあるわけですが、今日唐突…

接続詞「確かに」

接続詞「確かに」は、それが段落の冒頭に用いられる場合、後続する段落で、当該の段落で述べられたことが「反論」されることを予感させる接続詞である。と、これまでそう思ってきたのだけど、最近、たまにこの予感をハズされることがある。つまり、「確かに…

これが Google IME の恐いところ(実例編)

一か月ほど前に次の記事を読みました。 「これが Google IME の恐いところ « 頭ん中」 私は普段はATOKを使っているので、Google日本語入力は、よほど固有名詞をがたくさん出てくる文章を書く必要があるときしか使いません。で、ATOKは色々サジェストしてくれ…

口述筆記日記

新しいiPadを買ったら、音声入力機能が付いていた。音声入力なんて使わないと思っていたけど、ためしに使ってみると結構すらすらと認識してくれる。実は、ここまでの入力もすべて音声入力で一つも変更していない。 とはいえ、音声入力ならまるで話すように書…

「恋しい」

スイーツが恋しくなる季節です、などのポップをわりとみかけるのだけど、私の語感ではちょっと違和感がある。そもそも、「恋しい」とはどのような語感を持つのだろうか、と思って、『語感の辞典』を調べてみた。 離れている人や場所に心引かれ、その対象を身…

漢字という障壁

さいきん、とあるゲーム実況をみている。アドベンチャーゲームの実況だ。その実況をしている人は、漢字を読むのが苦手で、しかしそれに反して、そのアドベンチャーゲームにはやたらと難しい漢字が出てくる。 難しいとはいっても、旧字体が続出するというわけ…

雨の“見える化”

「見える化」という言葉を最近よく耳にする。「可視化」という言葉はよく使うけれども(そして「音」では通じにくいのでよく補足して説明する)、その代替語なのかなあとぼんやり思っていたら、Wikipediaに次のように書いてあった。 見える化(みえるか)と…

立食パーティ

「立食」という言葉を聞いたのはいつのころだっただろうか。「たちぐい」ではない。「りっしょく」だ。おぼろげな記憶を掘っていくと、体験としては、母のパート先であったなにかしらの懇親会のようなものについていったのが最初だったように思うけれど、そ…

みんな師走と言いたがる

月の異名のなかで「師走」ほどメジャーなものはなくて、「長月」あたりのマイナーさが泣けます。「神無月」はわりとメジャーかもしれない。出雲だと「神在月」になるのも面白いということだと思うと、ようするに、その異名に「物語性」を読み込めるかどうか…

寒くなったのでマフラーをした

これまで30年くらい生きてきて、マフラーをあまりしたことがなかった。なんかごわごわしてる感じがしたし(実際そうだったのかもしれないが)、なんだか暑そうな気がしていたからだ。私は寒がりだけど、冬にたくさん着込むのは駄目、というのが困ったところ…

略語の話

リモコンの正式名称はリモートコントローラーだ。と書いて、念のために大辞林を引いたら、「リモートコントロールの略。特に、それを用いる装置」と書いてあった。コントローラーじゃなかったのか……と驚愕する。とすると、リモコンするという動詞が成立して…

詩になる言葉

最近のtwitterでみかけた言葉、2点。 マクドナルド茗荷谷店: 女:「あのねー、超しょーじきにゆっけど、あたしさ、元カレと付き合ってんのね」男:「それどういうこと?」女「あんた相変わらずぼけてんね。あんたがさ、今は元カレになったのよ」私は静かに席…

「十代の時に横浜を歩いていた感覚が、今の横浜という土地にまだに保存されていて、今の身体が、それとぴったり重なってしまう」

「2010-01-22」より。 横浜を歩くと、ぼくはいつも過去に戻るような感じになる。昔を思い出すというよりも、今の、この空間を、「十代の身体として」歩いている、というような感覚。横浜に毎日通っていた浪人時代と「今」とが直結して、その間に挟まっている…

「企画書をいっぱい書くとか、コピーを何本も書くって、「走り込み」と似ているようで、まったくちがいます。」

ほぼ日刊イトイ新聞(2010/1/14)より、糸井重里の言葉。 この「走り込み」のマネをして、 昔は、「キャッチフレーズを100本書け」だとかね、 そういうことを教える「先生」がいっぱいいました。 100本も書いたって、ことばの順列組み合わせを、 手間ひまかけ…

「雑誌って、やっぱり「手紙」だよな」

twitterの中俣暁生の言葉より*1。 solar1964 定期購読している雑誌が家に届くのはうれしい。雑誌って、やっぱり「手紙」だよな。 去年はたくさんの雑誌が休刊になり、そしてそれは今年も続くのだろう。もはや「雑誌」という媒体の持つ求心力は低くなっている…

武器を持つ不自由

「ほぼ日刊イトイ新聞」の「今日のダーリン」7/22付けより。 おそらく、武器を持っていること自体が、 かなりの緊張を強いると思うんですよ。 かえって自由でなくなる、生きにくくなるでしょう。 「武器を持つ」というのは、そういうことだと思う。 「戦場の…

ボストン茶会事件

「暑いなあって思うんだけど、冷房を使うほどじゃないんだよね」 「この時期から冷房を入れていると、本当に暑くなったときに持たない、って思うけど、実際にはそんなことはなくて、暑くなったら設定温度を下げればいいじゃない、って話?」 ボストン茶会事…