原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

これが Google IME の恐いところ(実例編)

 一か月ほど前に次の記事を読みました。

これが Google IME の恐いところ « 頭ん中

 私は普段はATOKを使っているので、Google日本語入力は、よほど固有名詞がたくさん出てくる文章を書く必要があるときしか使いません。で、ATOKは色々サジェストしてくれるんですけど(ら抜き言葉でよく怒られる)、ときどきなんでこれが変換できないんだ、というのがあります。ATOKの場合、変換できない理由は、「そもそも自分が読み方を間違っている」か「何かしらの理由でその言葉が変換されないように設定されている」のいずれかです*1。前者だと素直に助かるし、後者は……まあ自分で辞書登録すればいいといえばいいです。

 ところで、上記の記事については、次のようなブックマークのコメントがついていました。

 そもそも入力の時点で間違っている方が悪い。その自覚がないから自分の間違いをIMEのせいにしてこんなこと書いてるんだろうけど。

 私も同じような間違いをたくさんするのでごめんなさいという感じですが、後半はちょっとひどくないかなあ……と思って、何の気なしにこの方の他のコメントを読んでみようとクリックしてみると、次のような画面が。

f:id:Rouble:20120505135033j:plain

 一個下のコメントに「戻せられない」という表現が出てきます。「戻せない」がすでに(不)可能であるところに、さらに可能の助動詞を入れてしまうメジャーな間違いです。「戻せる」が「戻せられる」になってるわけですね。なぜこのような間違いが生まれたのだろう、と思い、ひょっとして……と思いいたり、試してみました。

 この表現、ATOKだと変換できません(MS-IMEは消してるから試せず)。

f:id:Rouble:20120505135852p:plain

 ところが、Google日本語入力はこれを特に疑問なく変換してしまいます。

f:id:Rouble:20120505135948p:plain

 これは……どうも期せずしてこの方はGoogle日本語入力の罠を体現されたのではないでしょうか(推測)。おそらくこの方はIMEのせいにはされないと思うのですが、それでも、ATOKならば防ぐことのできた間違いではあります(「なんで変換できないんだろう? 自分が間違ってるのかな?」と思わないとスルーしてしまいますが)。

 私はさほど「正しい日本語」に拘泥しない方ですが(話し言葉ではら抜きはどんどん使うけど、書き言葉では違和感を感じる程度の言語感覚)、多くの人に違和感を覚えさせる表現はできるだけ避けようとはします(ただ、それを他の人にまで求めるかは微妙なところだし、自分ができているかもあんまり自信ない)。その点で、ATOKの「それは変換させん!」という態度は、問題もあるけれど、いいところでもあると思っています。揚げ足取りみたいなこと書いてごめんなさい。

[追記]
 MS-IMEについてご指摘いただきました。用途に合わせて使い分ければいいと私も思います。

*1:読み返して思ったけど、単純に登録されてないこともありますね。2012/06/07追記