原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

自己解題「夜に落ちる」

 昨日は、おもしろそうな企画があったので、参加してみました。


 書き終えるまで、2時間ちょっとかかってる。条件は、

 1.お題は「りんご」
 2.5000字以内
 3.三人称視点であること

 でした。応募作品をいくつか拝見したけど、二人称視点があった気がする。二人称、前に一回書いたことがあるような記憶があるけど、結構面白い。

 反省点含めて、自己解題しておきます。自己解題というか、どんな風に書いたかの記録。以下閉じる。

とりあえずノルマを達成しようとした

 露骨に一文目に表れていますが、とりあえずりんごを書こうとしました。あとで主催者の方のブログに、こう書いてあって泣いた。

 「りんごは最後に取ってつけたようにしか出ないじゃないか!」とお思いの方もいると思いますが、一応本編の隠しテーマとして全体的に混ぜているのであえてわかりにくいようになっています。直接「りんご」って書くと興ざめしちゃうからね。

『金魚姫』 ~第0回短編小説の集い宣伝~ - 価値のない話

 すまない……。

藤代≠ふじよ

 これ、書き終わってしばらくして気づいたんですけど、「藤代」は「ふじよ」とも読めてしまうんですね。意図としては、「ふじしろ」と読んで姓のつもりでした。まあ、でも「ふじよ」でもいいか。

 「そうなの、と、特に感動したでもなく、藤代は答える。」と書いた時点では、藤代が女性か男性かは定めていませんでした。なので、「そうなの」という記述は、「そう」とか「そうなん」とかと迷ってます。結果的に、「女性かな?」と感じの「そうなの」に決定。

特に展開は考えずに書いている

 これは長編にしても同じ(そんなにたくさんは書いてないけど)。途中、このままだとカフェで物思いをして終わる、ということに気づいたため、視点を変えました。

人称は、三人称藤代視点

 三人称の語り手にも色々あるわけですが、「1」の語り手は藤代の心中をほぼ理解できる語り手です。そのため、「特に感動したでもなく」など書くことができます。ただし、藤代が忘れていることは一緒に忘れています。

 「一緒に出かけたところも、身体を動かしたり、歌ったり、えーっと、あー、そう、なんだろう、歌を聴いたり? とかいったところではなくて(ライブのことだ)」あたりは、かなり藤代が漏れてる。

駄目押しのりんご

 さすがに最初に書いただけで終わるのはどうか? と思ったので、Twitterのアイコンもりんごに。他にもいくつかりんご要素を入れました。

語り手チェンジ

 「2」の語り手は野宮かなみの心中をほぼ理解できる語り手。であると同時に、「1」を読んでいる語り手。「1」からの変化として、冒頭に「笑ってんじゃねーか!」という描写を書きました。

なんで笑ってるのかな

 なんで笑ってるのかは知らなかったけど、まあたぶんそういうことなんだろう、と思ったので、そういう展開に。安易。

ここ好き

 藤代は忘れていたが、5年前にかなみがりんごのことを話したとき、藤代はそうなの、と言ったあとに、わかる気がする、と言ったのだった。

ここも好き

 本当のところを言えば。藤代が顔をしかめていたのは、藤代以上に、かなみが顔をしかめていたからだった。なにもそこまで、と藤代は思ったのだったが、そのことも藤代はもう覚えていなかった。

ぶれる三人称

 このあたりは、前から何度か書いてる、ぶれる三人称。ここだけ藤代の心中を理解できる語り手になってます。

ここ楽しかった

 家かな、と思ったけれど、さっきのようなことを、家で思いつくような子ではないと、かなみは知っている。外だ。

語り手再チェンジ

 「3」は、ぶれる三人称をより強くして、「1」の語り手と「2」の語り手が混ざってます。段落や文ごとに語り手が違う。

初会話文

 ここまで会話がなかったけど(Twitterはある)、ここで初めて会話が。楽しい。

別に恋愛としてではなくて

 恋愛話に無理にしなくてもいいのでゆったり終わろうと思いはじめる。

なんで銀河鉄道の夜

 3の中盤あたりで、「僕たち一緒に行こうねえ」を思いついて、そういえば苹果出てきてたよね、と思って検索(生存戦略)。ただ、そのままそのエピソードは使えなかったので、カムパネルラのところだけ。

最後はわかってもわからなくても

 銀河鉄道の夜の結末を知らないと(何バージョンかあるけど)、最後の部分はよくわからないかとも思ったけど、まあ、別にわからなくても意味は通じるからいいか、と思ってこんな感じに。

 楽しかったです。