原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

ワープロ(ワードプロセッサー専用機)の思い出

 私は、おそらくワープロ専用機をメインに使っていた最後の世代だと思う。大学4年間のうち、最初の3年間、資料はワープロで作成していた。ふとそのことを思い出し、ワープロのことを書きとめておかないと記憶を失いそうだ、と思ったので備忘録として書いておく。

 ワープロのことを思い出すとき、いつも最初に思うのは、単機能であることのよさだ。ワープロはスイッチを入れれば、すぐに編集中の文章が表示される。これは、現在ではポメラに継承されているのかもしれない(使ったことがないのでわからないけど)。ワープロ末期は「インターネットもできる!」とかそんな無茶な感もあったけど、基本的には文章を書くことに特化していたよさがあった。

 もうひとつ思うのは、単体で印刷できていたということで、これは今から考えてもわりとすごいような気はする。それが原因で重たく、大きくなっていたことは否めないけれど(なんせ持ち運びように取っ手がついていたので)、文章がすぐにプリントアウトできるのはすごいことだ。もっとも、「すぐに」といいつつ、私の使っていたワープロは3枚印刷するのに30分はかかっていたので、「よし、印刷するから仮眠するか!」という感じだったのだけれど。

 マウスに対応していた機種がどれくらいあったかはわからないけれど、多くの機種はマウスには対応していなかった。大学の研究室には、それぞれのワープロがロッカーの上にごろごろしていたのだけど(毎日持ち帰るとか無理な重さ)、マウスを使っている人はいなかったと思う。みな、カーソルキーでなんとかしていたのだろう。ショートカットを使っていたかどうか、このあたりの記憶は摩耗してもう消えている。そもそもショートカットあったっけ? コピーアンドペーストとかどうやってたんだっけ?

 ワープロを使っていた時期は3年間だけど、その使い方は、その後のPC時代にも大きく影響を及ぼし続けているとは思う。キーボードの操作はワープロで習熟したし(特に罫線関係)、今でも、文章を書くときに全画面にしないと気がすまないのは、たぶんワープロの感触の残滓なのだろう。