総じてみるに、偏見の存在を描きつつ、それにどのように応えていくか、ということを描いた話にもなっていて、生徒会長戦(8巻あたり)での、「疑惑を晴らす」ということ自体への躊躇など、とてもよかったと思う。「○○って、ゲイじゃないですよね?」みたいな、下手をすると善意から出るような発言ってわりとありふれているんだけど、その発言自体がいやおうなく持ってしまう暴力性に対して(コミカルなマンガではあったけれども)敏感なマンガだった。
最後の最後、お兄ちゃんのこの言葉は涙が出そうだった。ほんとにね。
「今はまだ 正式には出来ない事ですが
いつか きっと──」