原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

小長谷有紀『ウメサオタダオと出あう』

 梅棹忠夫展での「はっけんカード」を元に、それらにコメントをつけた本。いやー、おもしろくなかった。カードを元にして梅棹忠夫展で「起こったこと」を描き出そうとする試みそのものはよいと思うのだけど、それをあぶりだす方法が、著者のいちいちの注釈というのは方法が違っていたのだろう。読んでいてわくわくするところがほとんどなかったし、創発されることもなかった。

 ここ2年くらい、「アイデア」とか「デザイン」とか、そういうのがついている本を結構読んでいるのだけど(自己啓発のためじゃないよ)、これやってみたいなあ、と思えるような本は少ない。が、思えるような本に出会うと、読んでいる間中、色々なアイデアが浮かんで、なかなか本が読み進まないということもある。もちろん、カフェなどでフィーバーして書き留めたアイデアは、後から読み返してみれば「なんだこれ……」感があったりするものなのだけれど、そういうアイデアEvernoteなどに入れて、タグで整理しておくと、「次のあれでは、あの材料を使ってみようかな」ということがわりと簡単にできる。

 この本にも、そういうアイデアが浮かぶ場所を期待したのだけど、ちょっと違ったようでした。うーん。この本をおもしろくするにはどうすればいいか? ということを考えるのは一周まわっておもしろそうではあります。