原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

石黒正数『それでも町は廻っている』(11)(12)

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 同時期に電子版が配信されたので2巻分購入。両方とも謎(ミステリー)成分がやや多めに感じました。前からこんなものだったか?

 気がつけば第90話とかになってきていて、この世界も長く続いてきたなあと思います。第12巻の最終エピソードは「エピローグ」。かなりどきりとするタイトルで心臓に悪いのですが、あとがきに「別に終りじゃありません。もうちょっとだけ続きます」と書いてあって安心しました。「もうちょっとだけ」はただの様式美だと信じてる。

 11巻のあとがきでは、「時系列がバラバラ」であることへの言及があります。これ、どのあたりで気づいたのかあまり思い出せない。確かブログに書いたような……と思って検索してみたんですが、『ネムルバカ』の記事(2008年4月)には次のようにありました。

 石黒正数の作風は、『それでも町は廻っている』にも顕著なように、ユートピア的な世界を描くことに親和性があると思うのだけど、この『ネムルバカ』は、その心地よい空間から、結局は出ていくことになるんだよね、ということを思わされる作品になっている──ということを書いて思うのは、『それでも町は廻っている』の世界も時間が結構早いスピードで動いているということで、そろそろ先輩が卒業してしまう。あの世界も、ひとところに留まっているわけではない、ということだ。

 全然気づいてないよ。このころ、『それでも町は廻っている』は4巻まで刊行されていたみたいです。

 12巻で言うと、海にいくエピソードはたぶん1年生の夏。まだ歩鳥が「辰野さん」と呼んでる。

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(12巻、97話)

 このエピソードはコブ平さんがいつも通り調子にのり、いつも通りひどい目にあっています。この生き生きとしているコブ平さんが楽しい。

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(12巻、97話)

 「タッツン」と呼びはじめたのはいつごろだったかなあ、と懐かしむように思い出すので、いつか時系列順に読んでみたい気もしますが、並び替えるのが大変そう……。電子書籍ならがんばればできますが、かなり時間がかかりそうです。