原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

『ココロコネクト ミチランダム』

 DVDで最後のエピソードを視聴。小説版については、こちらで感想を書いてました。

 小説の方もゆっくり読み進めていて、いま最終巻の「プレシャスタイム」を読んでるところです。終わってしまうのがせつない。アニメーション版は、いまのところこの「ミチランダム」がラストエピソードになっています。

 「プレシャスタイム」はすべてが終わったあとの短編集なので、その視点から「ミチランダム」をみると、主人公の5人がまだ幼く感じます。この「ミチランダム」までが1年生編で、次からが2年生編。次のエピソードでは後輩ができるので、「先輩としての5人」になる以前としては最終エピソードということになります。

 このエピソードの中心である長瀬伊織は、ほぼこの話でココロコネクトとしての成長が完了するだけあって(「アスランダム」では色々あるけど)、今回は落ちるだけ落ちる感じ。彼女は文研部の中でひとりだけ明確なペアを持たないキャラクターになっていくので、その立ち位置に至るまでのエピソードとしてもみることができます。

 映像化された本作は、丁寧に作られていておもしろかったです。ただ、4人の長瀬に対する態度について、周到すぎるくらい伏線が張られるので、視聴者の方がほぼ先に関係性の問題に気づくことになる。そこが、人によっては「早く気づけよ…!」となるかもしれません。とはいえ、気づいたからといってすぐに解決するということでもなく、紆余曲折があったからこそ、最後の教室でのシーンがあるのだとは思います。

 ラスト、工場跡での話は、小説の方がカタルシスがあったかなあ、という感じがしました。長瀬の決断を描くには、ちょっと時間が足りなかった感じ。

 ぜひ2年生編の映像も見たいと思うのですが、あんなことがあったから2期は絶望的なのかなあ。最後の最後に新1年生の姿もあったので期待したいところです。藤島さんの成長が見たい。