(今井哲也『ぼくらのよあけ』 - 原子メールの届いた夜に)
『ぼくらのよあけ』よりも以前に書かれたものなので、さかのぼって読んだことになります。なぜこちらを先に読まなかったのか? ……なんででしょうね?(どちらも同じときに電子書籍で購入しました)
『ぼくらのよあけ』に比較すると、絵も発展途上のようにみえますし、物語の中にも決着のつかない人物が出てきます(その動機はわかるようにも思うけど)。でも、全4巻の中に色々なことがあって、『ぼくらのよあけ』の計算された構成とはまた異なる「ごたまぜ」感があって楽しかったです。
この話の中では、あまり「みんなの気持ちが一致する」ということはなくて、それぞれがそれぞれの気持ちでアニメーションを作ったり、作らなかったりします。感情の描き方*1、そして、それを表す身体の描き方、コマの見せ方がとてもいい。
[参考:とある『ハックス!』の身体原理 - Togetter]
たとえば、次のコマの並びとかすごくよかった(実際にはページをまたいでいます)
2コマ目の下がった眉。ちょっと遠いカメラ。何かに気づいていく主人公(コマには映ってないけど)。楽しい。
次は『アリスと蔵六』なんですが、リュウコミックスはそれほどひろく電子書籍を展開していないようで、Kindle版しかないんですよね……。うーん……と思っています。
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*1:特に主人公は言語表現が苦手なので、自分の考えと異なる考えにであったときの困惑がたびたび描かれていて、それもいいです。