[rakuten:book:19606978:detail]
20代後半のアイさんと高校生のミスミさんの恋愛もの。ミスミさんが表題の「神絵師」で、アイさんが「腐女子」(読む専門)なんだけど、直接的に「ミスミさんの作品が好きなアイさん」という関係ではなくて、「アグオカ」という作中作が好きな二人(ミスミさんはその発露として絵を描き、アイさんはその絵と自分の解釈との一致に震える)という関係がちょっと曲がっていて面白い。
アイさんは消費側なので、二人の関係における自己肯定感がかなり低く、とはいえミスミさんはアイさんの感想が──という関係があちこちに出てくる。「お前はミスミさんにふさわしくない!」と言われたら反発しそうなところ、「ですよね」と反応してしまうアイさん。
この関係がどうなってくのかな……というところがまだはっきりとは見えないところが面白さで、ミスミさんの成長(?)のためには、アイさんに向けた作品という側面を脱していかないといけない、ということは3巻後半の展開でもほのめかされてるんだけど、そこをどう描いていくんでしょうね。
展開次第でさくっと終わってしまいそうで、そこが不安ですが、あまり安易にオチをつけずに、じっくり描いてほしいなと思います。