原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

鳳乃一真『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』

 いつだったかのニコニコ動画の配信をみてから、原作を読んだもの。ニコニコ動画の配信をみたきっかけは、「蓬莱学園っぽい」という噂を聞いたから、だったのですが、特にそんなことはなかった。島が舞台であり、学生が中心となって運営されている、というところは確かにそれっぽいけど、蓬莱学園はもうちょっとカオスですよね。

 小説は7巻で刊行されていますが、イラストレーターの交替などもあって、8巻の刊行が遅れ気味みたいです。

 で、えーっと……あんまり書くことがないな。淡々とおもしろいです。イメージとしては、ドラえもんひみつ道具が島にはたくさん隠されていて、それを取り合っている、と思えばだいたい当たりです。ひみつ道具を求めたり求めなかったりする人々の思惑が入り乱れていて、「信頼できる味方」がほとんどいないところがポイントでしょうか。

 7巻現在で進行している事件は、ふざけながらも割合シリアスで、あるジレンマが発生しています。これをどうやって解決するのかなあ、というのを気にしながら読んでいる状態。伏線も色々張ってあってよくわからなくなりつつあるので、忘れる前に続刊をください。

 既刊の中で好きだったのは、過去編である4巻。この巻は、タイトルにもある龍ヶ嬢七々々の生前のエピソードで(彼女は物語開始時点で亡くなっています)、最初は「過去編かー、めんどくさいなー」と思ってたんですが*1、コンパクトにまとまっていて、そして、なにより動き回る七々々が見られてよかったです。カジノでの駆け引きも楽しかった。

 アニメーション(3巻分まで)はどうやら外した模様ですが、4巻の映像はみてみたいです。

*1:大抵過去編の導入時はそう思う。