原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

末次由紀『ちはやふる』(20)

 もう20巻になっていた『ちはやふる』です。表紙は甘い物大好きな名人とクイーン。

 新が色々と葛藤しはじめていたり、太一が修学旅行休んだり、逆に千早が修学旅行にいったりと、話が大きく展開しています。最近練習&試合ばっかりだったので修学旅行エピソードは新鮮。しかし、よくも試合の繰り返しなのにちゃんと物語が進展していくものだなあと思います。

 千早は別に修学旅行いかなくても先生にはなれるのでは……というか、修学旅行がない地域もあるのだが……みたいなことを思いつつ、顧問の先生も言ってあげればいいのにね、と無粋なことを思いもしますが、しかし、少し前の巻から芽生え始めている千早の「未来」へのイメージという点で、「かるた」よりも「修学旅行」を選ぶ、というエピソードは必要だったのでしょう。

 私はどちらかというと新派というか、どうも太一が好きになれないので最近の太一プッシュには困ったものなのですが、そろそろ3年生が近づいてきた太一がどういう道を進むのか、そして、まだ物語の中心人物になりきれていない新がどのように中心人物になっていくのかが気になります。