原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

九井諒子『竜のかわいい七つの子』

 前作『竜の学校は山の上』が面白かった九井諒子の二冊目。今まで発音せずに名前を認識してたのですが、「くい」さんのようです。電子版が出るのを待ってるうちに忘れてたのですが、数日前からKindleでセール中だったので購入しました。確か装幀が凝ってるはずなので物理本もほしかった。ほんとは。

 前作もそうですが、ひとつひとつのお話がみっしりとつまった短編で、密度の高い話を読むことができます。一気に読んでしまうともったいないので、とりあえず二話分読みました。それぞれの話が寓話としても読めるようになっていて、特に二話目の「人魚禁漁区」は、色々な方向から読めそう。一話目の「竜の小塔」は最近魔王勇者を読み返したせいで脳みそがひねくれているので、結末の後が気になりました。

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 どうでもいいんですけど、このシーンのMIDI懐かしい。MIDIとやたら小さいフォント、は90年代末のインターネットを語る上で欠かせない遺産です。

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