原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

発想が浮かびやすい空間

 カフェで仕事のような遊びのようなことをすることが増えた。増えた原因は色々あるのだけど、一番大きいのは単純にカフェの多い町に引っ越してきたから、というのと、多少はそういった面に回せる余裕ができた、ということにある。

 もともと住んでいた町は、わりと近年になった人口が増えた町で(山を切り開いたところだったので)カフェのような、わりと土着的というか、そういう文化が根付くにはもうしばらくかかりそうだったのだけど、今住んでいる町はスターバックスとかは影も形もないかわりに、やたらと個人経営とか小規模な地域チェーンのカフェ(というか喫茶店か?)がある。人口の少ない町にしては、多い方なのかもしれない。

 そういうわけで、わりと外で仕事をしたり、ぼんやりしたり、ということがしやすい環境なのだけど、そういうところにいると、「何かを思いつく」ことが起こりやすい。それは、たとえば来年度の計画についてだったり、企画についてのアイデアだったりで、あんまり脈絡のあるものではないことが多いのだけど、そういったアイデアの種のようなものが、仕事場にいるよりもぽこぽこと浮かぶ。で、そういったものを忘れないようにEvernoteなりに記録していく、ということが特に増えてきた。

 タブレットだとか軽いノートPCだとかを持ち歩きやすくなったことも、そういうアイデアの種をつかまえるのには向いていて、そうすると、仕事場にいるよりも、カフェにいたほうが効率いいんじゃね疑惑が頭の中にうずまくのだけど、そういうものかもしれない。

 しかし、なぜそういう環境の方が発想が浮かびやすいのか? という疑問はあって、これにはなかなか回答が思い浮かばない。ある程度人の目がある雑然とした空間の方が頭が動くのか? ということかもしれないし、公共空間という自由の制限された場所の方が、むしろ考えが進みやすいのか、それともただ単純に「引っ越し」(場の移動)を行っていくことが、思考の手助けになっているのか……。

 家の中に仕事場を作ろうとするときに、じゃあどういう風にそれをデザインすればいいのかな、ということを思うのだけど、上のようなことを考えると、ただひとつ仕事ができるデスクを用意するというよりも、いくつか家の中で「引っ越し」できるような場所を用意するのがいいのかなーとも思う。引っ越しに際して、そういうことを考えて、間取りとかをみている昨今です。