原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

『ビジネスパーソンのための俳句入門』

f:id:Rouble:20111216213148p:plain:w200:right 電子書籍です(「http://goo.gl/WNB51」)。私はiPadで買いましたが、iPhoneでも買える模様。これを買うために日経BPストアアプリ(無料)をインストールしたよ。内部での支払いはAppleIDだったので楽々でした。会員登録とかをさせるどこかの電子書籍にも見習っていただきたい。

 タイトルこそビジネス書の趣ですが、中はそうでもなくて(まえがきはわりとがんばって実用書っぽくしてるけど)、メインは「句会ライブ」である「東京マッハ」が収録されているところです。句会の参加者は、長嶋有米光一成・堀本裕樹・千野帽子

 面白かったのは、句会の中で、それぞれが「特選」「並選」「逆選」を選ぶわけですが、長嶋さんが「トータル絶対値」も考える、と言っていたところ。引用してみます。

長嶋 僕のやっていた句会では、逆選はマイナス1点でした。
千野 厳しい。
長嶋 その分、絶対値のトップというのを取る。並選が3点入って逆選がマイナス3点入ると0点なんだけど、トータル絶対値は6点。
米光 あ、それは理にかなっている。どっちにしろ人の心を動かしたものだということですね。
千野 逆選でも集めれば絶対値としては記録されるということですね。面白いな。

 良いと考えるのであれ、悪いと考えるのであれ、それが人に何かしらの印象を与えたならば絶対値として加算されるというのはおもしろい。俳句だけではなくて、色々なものにも使えそうな考え方だと思います。実際、この句会の中でも「特選」と「逆選」とが同じ句についた瞬間がやっぱり面白くて、「俳句観の戦い」が起こる。

 あとは、「手押しポンプの影かっこいい夏休み」(長嶋有)の「かっこいい」という言葉を巡って、「僕はまず「影きれい」はないと思っている。なぜなら僕が言いたいのは、「手押しポンプの影がかっこいい」だからね」(長嶋)とか、「やっぱり「かっこいい」と言うのはどうよと思ってはいたんだけど、でも何度も読んでいると、「かっこいい」と言っているのがかっこいいなと」(米光)とか、そういうやりとりも面白かった。

 句会をやってみたいと思いました。俳句だけじゃなくて、キャッチコピーを持ち寄るとか、そういうのでやっても面白いのかもしれません。