原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

麻生みこと『そこをなんとか』(1〜5巻、続刊中)

 最近知ったので、1から5巻まで一気読み。面白かった! 弁護士ものです。

 好きなのが、たとえば登場人物Aが印象深い台詞を言ったあとに、登場人物Bの神妙な表情のコマをひとつ入れて(このコマはわりと美しい)、その次のページの1コマ目でBが「不気味だ……」とか落とす手法で、話をキレイにしすぎないというか、もちろん神妙な表情には神妙な表情としての機能を持たせつつ、そこに単純なひとつの感情だけの意味付けをしないところがよかった。

 物語の内容としても、依頼人とかそういった人たちの心理もわりとパタパタとひっくり返って、主人公である改世楽子と一緒に、依頼人を信じたり裏切られたり疑ったりするのが楽しい。レギュラーの登場人物はかなり少ない(中心的に出てくるのは6人)のですが、以前の事件のこともちょこちょこと言及しつつ、仕事をしながら時間を過ごしていく、という感覚の得られるマンガです。何度でも読み返したくなる。

 続きが楽しみです。