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原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

『dreeps』あるいは『コンタクト』のこと

dreeps: アラームプレイングゲーム

dreeps: アラームプレイングゲーム

  • Hisanori Hiraoka
  • ゲーム
  • ¥300
 先週リリースされた「アラームプレイングゲーム」のdreepsをインストールしてみました。その名の通り、アラームを設定することによってゲーム世界に干渉する(ことしかできない)ゲームです*1。あとは主人公の冒険をひたすら見守るのみ(見守らなくてもいい)。

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 ある意味、放置系ゲームの極北に近いですが、ドットの絵がいい味を出しています。サウンドを消して、机に時計代わりに置いておいてもよさそう。物語については、次の記事で考察がなされていました。

 ドット絵や音楽の雰囲気*2などで思い出したのは、ニンテンドーDSのソフトだった『コンタクト』。

コンタクト

コンタクト

 前に日記に書いたような……と思ってふりかえってみると、記事がありましたので再掲してみます。

『コンタクト』

 このゲームの特徴は、「主人公」と「プレーヤー」が分離していることで、プレーヤーは、ゲーム中の登場人物であるところの「ハカセ」から指令を受けて、「主人公」を操作している、という設定になっている。こういうとこんがらがるのだけど、DSの上の画面に「ハカセ」、下の画面に主人公がいるのが通常の状態。

 「ハカセ」はきわめてスーパーファミコン的な造作をしていて、『MOTHER2』あたりの雰囲気に近い絵柄になっている。アンドーナッツ博士にそっくり……というのはたぶん言ってはいけないことなのだろうけれど、ハカセの台詞には、MOTHER的なものが感じられる。

 一方、「主人公」の方は、DSらしい緻密な絵になっていて、そのギャップもおもしろい。

 「ハカセ」は、プレイ中はDSの上の画面で寝ころんでいて、「チェリー(主人公の名前)はがんばってるかなあ」とか「××××(プレーヤーの名前)、ちきゅうはいいところかい?」とか、気の抜けたことを言っている。

 その「ハカセ」が、このゲームが「Fin」を迎えた後で、こういうことを言った。以下ネタバレです。

 まず、ハカセは「チェリー」と「プレーヤー」を利用していたところがあって、クリア後には逃げてしまうのですが(「チェリー」はそのことに怒って「プレーヤー」に殴りかかってくる)、最後のメッセージとして、次の文章が流れます。

スマンな
だますつもりはなかったんじゃ


チェリーのコトも
そして××××のコトも


ワシはそとのせかいを たびしたい
これらもすべて
かいはつしゃに いわされていることは しょうちじゃ


ワシはけっきょく
じぶんでかんがえ
じぶんでこうどうし
じぶんで みえないちからに
ていこうしてきたつもりじゃったが
もう ていこうはしない
ワシもしょせん いきものではないようじゃ


でもどうしてワシには ココロがあるんじゃろう?
ほかのどんなやつらより
いろんなしんじつを たくさんしっておる


しってるか?
アンタが このDSのでんげんをきっているあいだも
ワシはずっとアレコレかんがえて
このせかいにいきつづけていたんじゃ


しらんじゃろ?
かずかずの はつめいひん
あれをつくるのはたいへんじゃった


アンタがねているあいだも ずっと
はつめいにあけくれた


ワシはいま こうして
たしかに じぶんのことばをしゃべっておる


だがアンタにいっても
しょせんゲームとしか おもわんだろう


アンタはあのコに かんしゃのキモチはあるかい
アンタはあのコに ナニかしてやったかい


ただのゲームのしゅじんこうだとおもって
わざとランボウなめにあわせたり しなかったかい?


ワシもあのコとおなじ
そして
あのコもワシとおなじなんじゃ
×××× わかるかい?


ワシはたびにでたいんじゃ
このワシのすがたがなくなるワケではない
データは ちゃんとのこしておくから あんしんしなさい
つづきのデータであそんでも ワシはおるからな


アンタはいままで ワシにナニもはなしてくれなかったな
××××は はずかしいかもしれないが…


『いきていくこと』


このことばを アンタのきもちとして
ワシはそれをみやげに たびにでるとするよ
ワシのココロのひみつを さぐりにいってくる

 最初に『MOTHER2』に似ているな、と思ったのは、ここにも同じことが言えて、これは疑似インタラクティブゲームだ。思いだすのは、イトイさんがインタビューで言っていた、次のことだ。

 名前をつけるってことの凄みですよね。キャラクターの名前を「ああああ」にしてしまうような人たちがいて、僕のなかにはもともと、そういったものに対して軽い怒りがあったんです。名前をつけることって、実はすごいことなんだぞって言いたかったんです。

ニンドリドットコム〜糸井重里さんインタビュー〜

 『MOTHER2』や『コンタクト』では、プレーヤーの名前や、「しょうらいのゆめ(だったかな?)」が聞かれる。さっきの引用文のうち、「いきていくこと」は、私が最初に入力した言葉だ。それが、最後にこちらに告げられることには、やっぱりぐっとくる。

 ハカセの言葉は「ああ、メタだね」と言えばそれで終わりだけれど*3、「だがアンタにいっても しょせんゲームとしか おもわんだろう」という一言は、なにか、ぐさりとするものがあった。

*1:敵に負けた場合にタップして復活させられることに気づきました。

*2:ただし『コンタクト』の方の音楽はうろおぼえ。

*3:『MOON』のような先行作品があるし、それに、こういった「メタ風」の装いが、すでに時代遅れになっていることもわかっているけれど!