原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

星空めてお『ファイヤーガール』その3

 人物感想編その2。まだ3巻上は届いておりません。

東野巧

 副主人公。クラスは軽戦士。二刀流。さらわれたり、会議に参加しててレースに参加できなかったり、と、その立ち位置のわりにはイベントから弾かれがちです。

 物語上の特徴は、唯一「人傀儡」になった人物であること。心にくさびを打つ傀儡の術は、東野巧の場合には、「人を守る」という心に作用しているようで、幼いころに自分を守って亡くなった姉のことと、今守りたいと思っている先輩のことと、そして、逆にそれらを傷つけかねないことが、彼の心を縛っているようです。

「違うっていってんだろ! 俺は、先輩を助けるには、もっと──」
 絶句した東野の言葉なき声を、ほむらははっきりと胸で受け止めていました。
 東野の心の言葉──
 もっと、強くならなきゃ──と。
 そうしてその自分の手が、また誰かを傷つけてしまうのではないか──と。
 その矛盾にとらわれて身動きが出来なくなってしまった東野の苦悩を、ほむらは痛いほどに感じていました。

 3巻は先輩の卒業のエピソードまでいくのかな。ひとつの決着がつきそうではあります。

御陵真世

 さっきから先輩先輩と書いている3年生の先輩にして探検部の部長。クラスは魔法戦士。考えていることのすべてを表に出していないので、今なおわからない部分が結構あります。この物語の語り手は未来に立っている瞬間があり、そこではすでに次のような語りがなされています。

 けれどそれは御陵真世が青藍高校を去ってしまったあとでも、この屋上に来るたびに思い返され、ずっと記憶に残り続けた、そんなおかしな夜なのでした。

 2巻ラストでずっと疎遠になっていた稲荷直と一応の仲直りをしていますが、まだ「ありがとう」という言葉は口に出せない様子。3巻はこのあたりの話もありそうです。

稲荷直

 2年生。事故をきっかけとして休部していた人。クラスは獣使い。復帰後は副部長になったみたい。本格的な活躍は2巻から。全国の探検部でもそれなりに知られているようで、日本代表である天竜主馬とも色々ある様子。

 使い魔は幻肢虎。事故で失っていますが、2巻ラストでその子どもを再び使い魔にした様子。ただ、子どものうち1匹が行方不明のようで、今後何らかのかたちで関わってきそう。稲荷と一緒に本格的に冒険するエピソードはまだなので楽しみです。平和なものじゃなさそうだけど……。

雨乃

 1年生。ロボ。クラスは一応盗賊らしいです。盗賊って何するクラスなんだろうか。1巻から登場していましたが、探検への本格参戦は2巻下から。企画当初は主人公的位置づけだったみたいです。

 語り手疑惑あり。現在の雨乃ではないと思われるので、どこかの時間軸の雨乃が語っているのか、あるいは、雨乃の中に別の人格があるのか、といったところなのでしょうか。

 転送環が秘蔵されている薄暗い転送室をちょっとのぞき込んでから、階段を登って待機室に向かうと、ひとりの女子生徒がだらしなく椅子にかけ、携帯ゲーム機にのめりこんでいました。
 やっと来てくれましたね!
 入室者に気づいていない女性生徒の前に、ほむらはまわりこみます。
 間違いありません。このエキゾチックな顔立ちには見覚えがあります。
「……アメちゃん? 雨乃さん?」

 現在の雨乃の自意識の確立には、ほむら@中学生時代と一緒にみた超新星爆発が関わっているのかな。このあたりが物語のコアになりそう。