物理学の才能にめぐまれた(あるいは呪われた)主人公が、研究のごたごたで一旦アメリカから日本に帰国し、高校の教員をするお話。高校の教員ものってこのパターン多いですね。『閃光少女』もそうだった(研究者ではないけど)。
この設定の場合、大抵「本来ここはいるべきではない/しかしここにいる時間は大切」物語が駆動するわけですが、このマンガでもそれは例外ではありま……せん、と言い切っていいかはまだわかりませんが、そういう葛藤のあるお話です。
面白いのは、この話の「高校生」側の話。
話の主軸になる高校生は二人いて、一人は主人公に同じく才能に呪われた子。豊かな才能を持ちながらも、母親による抑圧でそのことを表に出せないままにいたところを主人公に発見されます。もう一人は、主人公に恋する子。最初は主人公を敵視していたのが……というお決まりと言えばお決まりですが、そういう子です。
で、前者の子──葵については、その才能の話が中心となって進み、主人公との恋愛関係は(ほぼ)発生しません。一方、後者の子──ハルカについては主人公側完全に脈無しの予感がするけど、恋愛関係を主軸に展開します。
物語の中心に恋愛を置きながらも、それとは別に才能の話が推移する、というところがとても楽しい。けど、主人公が親近感(と心配に思う気持ち)を持つのはたぶん葵に対してなんですよね……。どうするの最終巻。
葵は全方位に気を遣いつつ、自分の夢などは全部諦めてしまって嘘をつき続けているわけですが、最後はちゃんと救われるのかなあ。最終巻がとても楽しみです。
5巻より。また嘘をついてしまう葵。
3巻より。このシーン楽しかった。一番右がハルカ。高校生は4人組なんですが、結構3人とか2人とかでいるシーン多いです。