原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

『哀心迷図のバベル』

[asin:B003523T58:detail]
 Steins;GateのドラマCDです。α世界線からβ世界線に移動する直前の、紅莉栖視点の物語。

 『線形拘束のフェノグラム』内のシナリオ「黄昏色のソーテール」の裏側(表?)の物語とでも言うべきもので、非常に関連性が強いです。先にこっちを聞いておくべきだった……。

 「ソーテール」も同じα世界線の物語ですが、あちらはDメールによる改変がまだひとつも解除されていない状態のため、フェイリスの父親である秋葉幸高が生きています。それに対して、『バベル』では、Dメールによる改変が解除されているため、秋葉幸高は亡くなっている状態。

 2つの物語は、秋葉幸高と紅莉栖の父親であるドクター中鉢こと牧瀬章一との関係に焦点が当たっていますが(あと橋田鈴も)、ドラマCDでは若いころの2人+1人の会話が聞けてよかったです(逆に「ソーテール」では今の2人の会話が聞けます)。

 『バベル』では、秋葉幸高が亡くなっていることもあり、紅莉栖と父との会話はまともに成立しません。これに対して、「ソーテール」は、消えてしまう世界での話だけれど、このドラマCDの伏線を回収しながら、紅莉栖と父との和解を成立させながら、物語を展開しています。

 「ソーテール」は単独ではそれほどではないなあ、と思っていたのですが、『バベル』と合わせるととてもよい物語だと思いました(「ソーテール」だけでは設定の唐突感があるのが原因のよう)。これからゲームをする人は、まずは『バベル』から聴くことをオススメします。読んでませんが、コミカライズやノベライズもされている模様。

[asin:4088794850:detail]
[asin:4829147237:detail]