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原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

田中ロミオ『人類は衰退しました(8)』


 これまでこのシリーズは電子書籍の廉価版(表紙以外のイラストなし)を読んでいたのですが(というか電子版にそれ以外の選択肢がなかったのです)、突然「イラスト完全版」が発売されたかと思うと、最新巻の8巻は廉価版がないという仕打ち。後日出るのかもしれませんが、我慢なんてできないのでした。本棚の見かけ上は違いがないからいいんだ……。

 第8巻は、「妖精さんたちの、ゆめであえたら」の一本のみ。目次はこのようになっております。ページ数意味ないですけどね、リフロー型の電子書籍には。
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 下敷きで発電してる妖精さんかわいい。小さな挿絵がちょこちょこ入っているのはいいものです。廉価版をイラスト完全版にバージョンアップはできませんか。できませんよね。

 タイトルのとおり、「夢」がひとつのキーワードとなって進む物語ですが、状況が7巻の直後となっています。そのため、7巻を読んでいないと置いてけぼりになります。というか、忘れてました。私が。Kって誰だっけ? くらいに。

 で、「夢」の話ではあるのですが、その他にも電脳メガネ的拡張現実の話とか、衰退中だからか取り扱われてこなかった新しい命の話だとかが含まれており、これまでの物語よりも複線的で立体感のある話になっていました。Yの作ってた拡張現実ドラマとかおもしろそう。実際にやるとぎょっとしそうですけど。

 今作はあまり妖精さんが活躍していなくて、肝心なときにまさかの役立たず。けれど、物語の要請としては役立たずになるしかなくて、でも、最後にはその存在があることの心強さが支えてくれている。

 みんながいて、妖精さんもいる。
 だから、面倒なこともあるけど、たぶん大丈夫。

 最終的に、物語は伏線を残したまま次巻に続いています。なんとなく最終回的な匂い。もしかして終わってしまうのでしょうか。終わったらさびしいなあ。