原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

埜納タオ『夜明けの図書館』

 図書館の司書さんのお話です。Kindle100円で買いましたが、ほぼ通常価格に戻っているようです。絵柄に東村アキコっぽさを感じる。ギャグじゃないときの。

 図書館ものってあまり読んだことがなくて(最近はやたらと本屋さんものが多かったですが)、新鮮な気持ちで読みました。物語の中心は図書館のレファレンスサービスにあります。レファレンスサービスについては数回利用したことがありますが、調べるの大変だろうなあといつも思います。専門なら別ですけど、まったく専門分野とは異なる質問に応答していくのはしんどそう*1

 ときどきはてなブックマークのホットエントリーにもあがってきますが、国立国会図書館が運営している(のだと思う)「レファレンス協同データベース」というものがあって、これが結構おもしろいです。

 レファレンス協同データベース

 結構、「それ辞書ひいただけじゃん!」っていう回答も多いのですが、ときどき深く掘り下げた回答も。

 このマンガでは、そのレファレンスに答える中での人間関係が浮かび上がってきて、それが楽しい一冊でした。第4話「今も昔も」で、口承文学の別バージョンを見つけようとする話が一番おもしろかったかなあ。ただ、別バージョンを見つけようとする依頼者の心情にはちょっとしっくり来ませんでした。

 作りがしっかりしてるし、1話完結なので、テレビドラマに向いてるんじゃないかと思います。地味だけど。今月、続刊も出るみたいです。それでセールしてたのかもしれません。

*1:まあ、専門分野については期待した情報はあまり得られないことが多いですが……。