原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

『花咲くいろは』


 ニコニコ生放送で二回目を見ました。おもしろかった。リアルタイムで見たときにも毎週楽しみにしていましたが、一気に全話を見るとまた違った感慨が生まれてきました。最初のころの3人のよそよそしさ(呼び方が「さん」付けだった)も「そういえばそうだった」だし、最終回のさびしさもより強く感じられます。巴さんが泣きだして、蓮さんが釣られて泣くのもいい。案外、若い三人は実は泣いてなかったりもして。

 見返していて思ったのですが、主人公である緒花の「仲居」としての成長は、第1クールの女将が入院した回でほぼ完成されていたんですね。だから、そのあとは「仲居」としてはそれなりに働ける、ということを前提として話が進んでいく。入院回の次の回に緒花が熱で寝込んでしまう話が配置されていて、そこで喜翆荘において緒花がいなくてはならない存在になっていることが示される、というのもいいなあと思いました。

 欲を言うならば、後半に1話、「緒花の普通の1日」の話があってもよかったのかなあと思うのだけど(「普通の1日」の話はあるのだけど、視点が緒花にない)、劇場版でそれが感じられるといいかなあ。でも、劇場版時間が結構短いんですね。そこにお母さんの話が入ると、あまりゆっくり描くという感じではないのかもしれない*1

 もうコメンタリー聞きたいし、そういえばリアルタイムからニコニコのみで見てるので綺麗な画面見てないんじゃん……ということに気づいたので、うっかりBlu-ray Boxに手を出しそうです。期間限定生産ってずるいよね。たぶんそんなにすぐにはなくならないだろうけど。

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 そういえば。今回見返してみておもしろかった台詞は、前にも思った「人の夢が夢になる」というのもあらためてそうだったのだけど、「がんばってるけどぼんぼってない」でした(見てない人には意味不明)。ねがいや理念のない全力疾走は「がんばる」でしかない。おもしろい。

*1:そして劇場が近くにないのがせつない……。