原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

糸井重里『イトイの通販生活。』

 考えてみると物欲に日がついたのはこの本を読んだからのような気もするのですが、イトイさんの通販についての文章集です。先日、ほぼ日で日本茶の通信販売(ほぼ日のにほん茶 - ほぼ日刊イトイ新聞)がありまして、例によってふらふらと買ってみたのですが、ほぼ日の通販久しぶりだったので、「せっかくだからなにか一緒に買おう」という罠に落ちました(送料かかるしね、的思考)。

 『通販生活』という雑誌に連載されたいたものを集めたものなんですが、「買ったはいいものの使わなくなっちゃった」とか「全然期待してなかったけど意外とよかった」とか、色んな商品の感想になってておもしろかったです。

 読んでてほしいなーって思ったのは「ダブルウォールグラス」です。↓ みたいに、二重になってるグラス。保温性が高く、見た目もきれい。

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 ただ、Amazonの感想をいくつかみたところかなり割れやすいようで、がさつな私はあっという間に割りそうで残念。氷入れただけで割れるとか無理……。Amazonのレビューを信用しすぎという説もある。

 この本、おもしろいのが連載がかなり長いので、次第に文体が変わっていくところが見えるところです。特に、2000年前後に一人称が「私」から「ぼく」に変わってるんですね。これ、他の文章も調べてみないとなんとも言えないけど、たぶん「ほぼ日刊イトイ新聞」を始めたころに、「ぼく」文体を確立していったのかなあ、と思うと楽しい。今のイトイさんの文章は、基本的には「ぼく」のイメージがあります。

 しかし、「通信販売」という言葉もだんだんと聞かなくなってきたというか、「ネットで買う」=「通信販売」のはずなのですが、もうそういう言葉を使って認識してないように思います。おそらく、かつてよりも通信販売のユーザーは増えてると思うのですが、逆にその言葉は意識されなくなっている。買い物するときにも現金使うことが減ってきてるわけで、ここ10年かそこらでも、「買い物」に対する考え方はがらりと変わっているのかなと思いました。