原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

志村貴子『放浪息子』(13)

 放浪息子も13巻。高校編に入って2巻目です。なおもどしどし新しい登場人物たちがあらわれていてすごい。このまま大学編、社会人編と続いたらいいなあと思うのは、もうこの時の流れ自体を見ているのが楽しいからかな、とも思う。

 新しい登場人物もいれば、学校が分かれてだんだんとフェードアウトしていく人もいて、佐々ちゃんとかはだいぶ存在感が薄くなってる。薄くなってるけど、その分、ときどき出てくるのが印象深い。高校生っぽくなったなあ、とか、そういう時間の流れを感じる。小学生のときから見てるもんねえ、と親戚のような目線で。

 志村貴子のマンガは時間の進み方が不思議なところがあって、ときどきするっと数ヶ月単位で進んだり、かと思えばしばらく足踏みしていたりする。13巻で5年間分くらい(?)描かれてきてると思うのだけど、途中はわりと飛んでいるはずで、でも、それほど飛ばしたなーという感じもしないのだけど、かといって、中学校2年のエピソードって何? って聞かれるとなんだったかなーという感じ。『敷居の住人』にも同じことを感じたけれど、時系列はそれほど重要じゃない。

 そろそろ1巻あたりからまた読み直してみたいと思います。