原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

『たまゆら』

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 『たまゆら』というのは、昨年の冬にやっていたアニメーションで、もとはOVAからはじまったシリーズなのですが、おとといあたりに第二期をする、という話が出ていた。たのしみ。

 このアニメーションについては、放送中から公式の配信でがんばって追いかけていたのだけど、最終回の二回手前くらいで一度見逃してしまって、そのままになっていた。それが、こないだニコニコ動画で一挙放送をやっていたので、最初は「見逃したことだし、最後の方だけみようかな」と思っていたのに、気がつけば、ほぼ全編を見ていた始末です。あれー?

 実は昨年冬の放送中は、それほどじゃないなあ……ということをずっと思っていて、日曜日の夜にのんびりとみるのにはいいなあ、というくらいだったのだけど、ひといきに全編を通してみると、とてもおもしろかった。これはなんだろう。

 性質としては“日常系”と呼ばれるものになると思うのだけど、最初の放送中には、どうもそのために必要な、舞台だとか登場人物だとかに愛着を感じさせる“時間”が十分に描けていないんじゃないかなあと思っていた。が、一挙放送というかたちでぶっつづけでみていると(あるいはそれは二度目の視聴だったからという可能性もあるのだが)、なんだか愛着が生まれてくる感じがする。「毎回が最終回」と言われる、(しかし別に盛り上がるというわけでもない)終わり方も、一週ごとにみているときとは異なって感じられて、とてもよかった。

 ニコニコ動画(というか生放送)はときおり一挙放送をやっていて、いくつかそれで初めてみたアニメーションがあるのだけど、マンガと同じで、一気に見る(読む)のと、毎週とか毎月とかそういった期間をあけて話を追っていくのでは、感じるものがだいぶ異なってくる。『たまゆら』は、むしろ、一週ごとに見ていくのが楽しいアニメーションかと思っていたのだけど、そこに描かれている町だとか、あるいは時間が経過していく感じだとかは、ひといきに、密度の高い中で見てこそ十分に感じられるものだったのかなあと思いました。

 とすると、以前、同様に「時間」の描写が十分でないと感じていた『あの花の名前を僕たちはまだ知らない』についても、同じことが言えるのかもしれない。いつか一気にみてみようかと思います。