原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

橙乃ままれ『ログ・ホライズン(5)』

ログ・ホライズン5 アキバの街の日曜日

ログ・ホライズン5 アキバの街の日曜日

 書籍版と電子書籍版がほぼ同タイミングで(たぶん)出ているシリーズです。私は角川のBookWalkerで購入しています。「
ログ・ホライズン5 アキバの街の日曜日 | 電子書籍-BOOK☆WALKER

 もともとは、ネット上で連載されていたものです。現在でも5巻までの範囲は公開され続けていますし、昨年末からは、新章の更新も再開されています(http://ncode.syosetu.com/n8725k/)。私も、ネット版を読んでいましたが、電子書籍版で全部読み直しました。ネットにあるものをあえて電子書籍で読む、というのは奇妙な感じがしないでもないですが、かなり加筆されていることに加え、縦書きで読める、というのは、やはりそれなりに違うものだと思えます。さっと読み流す系統のものであれば、横書きでいいんですが(むしろ横書きのほうが読み流しやすく感じる)、じーっと文章を追っていくタイプの読み方の場合には、私の場合、縦書きの方が好きです。

 この物語は、ある事件により、オンラインゲームの世界で生きざるをえなくなった人々が、最初の混乱からだんだんと秩序を作り直し、ゲームの世界をある種ハッキングしつつ生きていく物語です。まだ、帰還の方向へ向かうかどうかは明確になっていませんが、「食べ物の味がまずい」問題とか、「死んだら蘇生できるけどでも怖いよね」問題とか、そういった部分の書き込みがとてもおもしろい。また、元々はNPC(ノンプレイヤーキャラクター=コンピュータが操っていたキャラクター)だった「大地人」たちとの交流など、「環境の変化」の中で人々がどのような対応の仕方をしていくのか、というところにわくわくします。

 この5巻は、だいぶ落ち着いてきての中休みでありつつ、次へとつながる布石のような巻だったのですが、それだけに、日常的な生活の様子が見られて、それがよかった。また、登場人物たちも、初期の混乱期を抜けて、この世界の中での自分の「立ち位置」(役割)に対して、不安に思ったり、見つけたりしようとしていく。その群像劇としての姿も、いよいよ熟してきたように思います。続きが楽しみ。