原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

『言葉のデザイン2010』


 iPadアプリになってる電子書籍です。はてなブログでは、アプリの紹介が簡単にできたらいいなあと思うんですけど、どうなんでしょうか。というか、あれはいつごろβ版ではなくなるのでしょうか。

 『言葉のデザイン2010』は、http://www.kotobanodesign.com/で色々と展開されていたもの(らしい)のですが、アプリになるまで知りませんでした。いざ読んでみると、そのUIがおもしろかったので記録しておきます。

 何が面白かったかと言うと、このアプリは「左」から「右」へとページが進んでいくんですが、こんな風に、「上」から「下」への動きも組み合わされているところです。つまり、章扉的なものを「左」から「右」へと動かしていって、「あ、これ読みたいな」と思ったら、「上」から「下」へと向かう。この動きが、目次の再発明的な感じで面白い。雑誌はこういうUIを採用すると、ずっと読みやすくなると思う。

 で、さらに面白いのが、これだと「横書き」の中に「縦書き」が混じっても全然不自然ではなくて、むしろ自然に読めてしまうんですね。「上」から「下」の動きは、「横書き」でも「縦書き」でも同じ遷移で読めるから。これはいいなあと思いました。

 あと、これはなんか本当に感覚的なことなんだけど、ひとつの記事が「底」まで至ると読んだなあ、というよくわかんない安心感がある。電子書籍は「ページが進んでいく」ことが、数字だとかバーだとかで表示されるので(逆に言えば「厚さがない」ので)、あと何ページかなあ、とか、進んでる気がしないなあ、というのがあるんですが、そこに「底に足がつく」ような感覚がプラスされてくることで、ある種の身体性みたいなものが生まれてるのかなあと思います。

 こういうリッチすぎない、電子書籍独自の読書をサポートしてくれるアプリがもっと出てほしいのです。