原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

夏の夜の雨

「梅雨というよりは夏の夜の雨だね」と彼は言った。
あけはなした窓からは水の気配のするやわらかい空気のにおいがしている。

 今年の梅雨は雨が降らなくて、梅雨が来たのかどうかもわかっていない始末なのですが、ここ数日は少し雨がちです。でも、梅雨の雨というよりは夏の雨、という感じがしています。まだ夏の匂いのしない、けれど、たしかに夏のしっぽのような、初夏の雨。
 新しい土地にひっこしてきてはじめての夏ですが、今年はかえるの鳴き声がしないんだな、と、気がついてちょっとかなしくなりました。近くに田んぼがないんだなあ。土地が変われば、またちがう夏がある。夏という呼び名の、ちがう季節があるのだろうと思う。