原子メールの届いた夜に

空き瓶に石ころをためていくような日記です。

森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』などが100円。

昨日に引き続き『ビブリア古書堂の事件手帖』を読んでいます。3巻の2話目を読み終わりました。2話目の「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」は、ある登場人物が、子どものころに読んだ絵本を探すお話。これを読んだときに思い出したのは、森見…

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』

[asin:4048704699:detail] いまさらで大変申し訳ないのですが読みました。電子書籍既刊分の3巻の途中まで。おもしろいです。おもしろかったんですが、ベストセラーになる理由まではよくわからない……かなあ。 本をめぐるミステリーにはたぶん色々なものがあ…

岩佐まもる『ROBOTICS;NOTES 1 キルバラッド・アノテーション』

ROBOTICS;NOTES 1 キルバラッド・アノテーション (角川スニーカー文庫)作者:岩佐 まもる角川書店(角川グループパブリッシング)Amazon ロボティクスノーツの登場人物のひとりである「フラウ」の視点から描かれたノベライズです。 これはその第一巻ですが、基…

『Steins;Gate』の小説とか読んだり

STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐ 比翼連理のアンダーリン(1) (富士見ドラゴン・ブック)作者:海羽 超史郎富士見書房Amazon 電子書籍版の『比翼連理のアンダーリン』(全3巻)を読みました。これは、ファンディスクである『比翼恋理のだーり…

末次由紀『ちはやふる』(20)

ちはやふる(20) (BE LOVE KC)作者:末次 由紀講談社Amazon もう20巻になっていた『ちはやふる』です。表紙は甘い物大好きな名人とクイーン。 新が色々と葛藤しはじめていたり、太一が修学旅行休んだり、逆に千早が修学旅行にいったりと、話が大きく展開してい…

志村貴子『放浪息子(14)』

[asin:4047286966:detail] 連載開始から10年らしく、もうそんなに経ったのかと驚いてしまいますが、考えてみれば作中でも6年くらい経っているのであった。志村さんのマンガはけっこう大胆に時間が進みますね。何度もやってくる学園祭。 14巻は相変わらずな…

弱いロボット

[asin:4260016733:detail] 医学書院の「シリーズ ケアをひらく」はいい本が揃っているシリーズで、最近はチェックが薄くなってたのだけど、今検索してみても読みたい本がたくさん出てくる。この『弱いロボット』も読んでないのだけど、TBSラジオのDigで荻上…

糸井重里『イトイの通販生活。』

イトイの通販生活。 (ほぼ日ブックス)作者:糸井重里東京糸井重里事務所Amazon 考えてみると物欲に日がついたのはこの本を読んだからのような気もするのですが、イトイさんの通販についての文章集です。先日、ほぼ日で日本茶の通信販売(ほぼ日のにほん茶 - …

電子書籍の書店を決める話

そろそろ、本格的に電子書籍の書店を「決める」必要がある時期にさしかかってきました。 妙な話ではありますが、電子書籍は通常の書籍と異なり、どこで購入しても同じというわけではありません。AmazonならKindleやKindleアプリでしか読むことができず、いず…

小長谷有紀『ウメサオタダオと出あう』

ウメサオタダオと出あう 文明学者・梅棹忠夫入門作者:小長谷 有紀小学館Amazon 梅棹忠夫展での「はっけんカード」を元に、それらにコメントをつけた本。いやー、おもしろくなかった。カードを元にして梅棹忠夫展で「起こったこと」を描き出そうとする試みそ…

『ねたあとに』、文庫化。

ねたあとに (朝日文庫)作者:長嶋 有朝日新聞出版Amazon 長嶋有の『ねたあとに』が文庫化された。単行本も持ってるけど、文庫の大きさで読むのも楽しい本だと思うので買いました。模範的な購買者と呼んでほしい。 解説はお父さんの長嶋康郎が書いていて、その…

佐藤雅彦『考えの整頓』

考えの整頓作者:佐藤雅彦暮しの手帖社Amazon 佐藤雅彦の文章を読むと、そのイラストがなくても、あの独特の線の感じを持つ絵のイメージが浮かびあがってくる。これも、そういう文章が集まっている本だ。 主に生活の中で気づくはっとしたこと、世界がぐるりん…

橙乃ままれ『ログ・ホライズン(5)』

[asin:4047276693:detail] 書籍版と電子書籍版がほぼ同タイミングで(たぶん)出ているシリーズです。私は角川のBookWalkerで購入しています。「ログ・ホライズン5 アキバの街の日曜日 - 新文芸・ブックス 橙乃ままれ/桝田省治/ハラカズヒロ:電子書籍試し読…

柴崎友香『虹色と幸運』

虹色と幸運作者:柴崎 友香筑摩書房Amazon Web連載版を読んでいて、また、単行本が発売されたときにも読んだのですが、改めて読み返してみました。最後に少しできごとが起こりすぎているかなあ、という気もしますが(3人分の視点でそれぞれにできごとが起こ…

三浦しをん『舟を編む』

舟を編む作者:三浦 しをん光文社Amazon タイトルからはすぐに内容をうかがうのが難しいですが、「辞書編集部」の話です。読んだあと、辞書を読みたくなる、そういう小説でした。 全5章で構成されていますが、それぞれの章の視点人物が異なっていくタイプの…

『ビジネスパーソンのための俳句入門』

電子書籍です(「http://goo.gl/WNB51」)。私はiPadで買いましたが、iPhoneでも買える模様。これを買うために日経BPストアアプリ(無料)をインストールしたよ。内部での支払いはAppleIDだったので楽々でした。会員登録とかをさせるどこかの電子書籍にも…

『言葉のデザイン2010』

iPadアプリになってる電子書籍です。はてなブログでは、アプリの紹介が簡単にできたらいいなあと思うんですけど、どうなんでしょうか。というか、あれはいつごろβ版ではなくなるのでしょうか。 『言葉のデザイン2010』は、http://www.kotobanodesign.com/で…

HERO『7と嘘吐きオンライン』

7と嘘吐きオンライン―HERO個人作品集―(ガンガンコミックスONLINE)作者:HEROスクウェア・エニックスAmazon3つの中編(?)がはいった個人作品集です。表題作については以前ネットに掲載されていたものを読んでいましたが、とてもおもしろかったので、単行本…

武富健治『鈴木先生』(10)

鈴木先生(10)ーアクションコミックス作者:武富 健治双葉社Amazon9巻から積んでしまっていたので、年末年始で一気に全部読み直しました。読むたびにすごいなあって思うのは、登場人物がそれこそひとりひとり生きていることで、「あそこで出てきたこのキ…

末次由紀『ちはやふる』(10)

[asin:4063192946:detail] 『ちはやふる』のいいところは、その群像劇性なのかなあと最新刊を読みながら思っていて、それは、ヒョロくんのような明らかな脇役としてのキャラクターが特にビジュアル的にかっこよくもならずに、しかしかっこいい、という描き方…

村上春樹『1Q84』BOOK1-3

1Q84 BOOK 1作者:村上 春樹新潮社Amazon今更読みました。読んでる最中はとても楽しくて、すらすら読めましたが、これはエンターテイメント的に読んでるだけだなーっていうのもずっと思っていて、別にこれが自分にとって大切な物語になるとかそういうことでは…

芥川賞候補二作

結局今回は二作しか読めませんでした。しかも柴崎友香はすでに読んでいたので意識的に読んだのは一作! とりあえず二作の感想です。 柴崎友香「ハルツームにわたしはいない」 以前感想を書きかけたままPCを放置していたらWindowsが自動的に再起動してしま…

村上かつら『淀川ベルトコンベア・ガール(1)』

淀川ベルトコンベア・ガール 1 (ビッグコミックス)作者:村上 かつら小学館Amazon村上かつらさんの漫画は初めて読んだけどおもしろかった。十六歳の主人公が工場で働きながらままならないようなままなるような、いろんなできごとに出会っていくお話。 あとが…

柴崎友香『虹色と幸運』

webちくまで連載中の柴崎友香『虹色と幸運』*1がおもしろい。中身もおもしろいけれど、その表示方法もPDFというところで、私はiPhoneの「GoodReader」でダウンロードして、これまでの連載分をフォルダにまとめている。電子書籍うんぬんの話としてもおもし…

志村貴子『放浪息子(10)』

放浪息子(10) (ビームコミックス)作者:志村 貴子エンターブレインAmazon 人の関係がどんどん複雑化しているのに、なかなか「この子は嫌いだな」という子が出てこないのがすごいなあと思っていて、登場時には嫌なやつだなあと思っていても、いつの間にか好き…

山崎ナオコーラ『この世は二人組ではできあがらない』

この世は二人組ではできあがらない作者:山崎 ナオコーラ新潮社Amazon ついに帯に「無冠の帝王」とまで書かれるようになった山崎ナオコーラの新刊です。「素朴な社会派小説」と帯に書いてありますが、いい意味で「小説ってなんだっけ」と思わせるような小説で…

衿沢世衣子『ちづかマップ』

ちづかマップ作者:衿沢 世衣子講談社Amazon 実際の場所を“ちづか”がめぐる、地図マンガです。楽しかった。タイトルから受ける印象ほど“地図”に焦点を当てたものではありませんが、実際の土地をめぐっていく感覚がとてもおもしろかったです。……と、考えたとこ…

野崎まど『[映]アムリタ』

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)作者:野崎 まどKADOKAWAAmazon いつの間にか「メディアワークス文庫」という文庫ができていて、その創刊を担う一冊のようでした。もう「アムリタ」というタイトルだけで半分陥落していたので、映画撮影の話 → お…

芥川賞候補作5篇

今回はわりに時間に余裕があったので、芥川賞候補5作を読んでみました。なんとか間に合った。以下、それぞれの感想です。 大森兄弟「犬はいつも足元にいて」 犬はいつも足元にいて作者:大森兄弟河出書房新社Amazon 兄弟作家、ということが話題になっている…

志村貴子『敷居の住人』

[asin:4757749961:detail] まだ読んでいなかったので新装版を期に読みました。おもしろかったー。 読んでいる間中思っていたのは、このマンガは全体を俯瞰できないマンガだな、ってことで、それは、全体の展開を“物語”として示そうとすれば、それはできるの…